midday crow
目を上げてそこにいる男子を認識した途端、太陽はギターを取り落としかけた。

頭を占領して、苛立ちの元凶にしかならなかった、昨日の男だった。

「お……おまえ」

「太陽さん。どうも」

なんで太陽のことを知っている?

どうもとは。そんな気安い仲になった覚えはないぞ!

という感情は押し寄せてきたが、声は出ない。

どうも太陽は、不意打ちに弱いらしい。

「昨日はすみませんでした」

彼がぺこりと軽く会釈しながら続けた言葉に、ますます混乱する。

「すみません……って」

「えっと、つい。八つ当たりみたいな?」
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