midday crow
「紅羽」

黒い瞳が瞬いた。

「好きだ」

その言葉が紅羽の胸に染み入り、血液の流れを加速させる。

罪悪感はなかった。

温かい気持ちがした。

ああ──大丈夫だった。

光輝が微笑んで、軽く頭を叩いていくような幻想を見た。

「私も好き」

真顔でそう言ってから、紅羽ははにかんだ。

太陽の言葉が狭い視野を広げてくれる。

まっすぐに二人は見つめ合っていた。
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