midday crow
なにをするのかと思いきや、右手を大きく振りかぶって、勢いよく光輝の右腕に振り下ろす。

バシンといい音が響いた。

「いってー!」

「金輪際するなよ! いいな!」

怒鳴ってから、わしゃわしゃと光輝の頭をかき回した。

「……はは、おう」

顔を上げた光輝はどことなく、泣きそうに見えた。

「……もー! そういうところ、ずるいんだよね」

「……無事でよかった」

かけられる言葉は許しだ。

紅羽も微笑んだ。

「……おかえり」

窓から射し込む光が、明るく彼らを照らしていた。
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