そして少女は兵器を討つ
彼女の断末魔は――なかった。

ただ、あとには、白い灰が崩れるばかり。

霧が私へと還る。

どうしようもない高揚と熱さ、恍惚感を覚えながら、けど、痛いほどの寒さも、あった。

どこと言えないなにかが、痛い。

静かになった、オレンジの地下室――

照明灯が、キシ、キシ、と揺れている。

私は、知識から言葉をひとつ、拾い上げた。

「……ごめんなさい」

どうしてか、どうしても、そう言いたかった。
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