白井君の慰め方
白井君は大切な人

頭の中だけで話していてはいけない




あー!幸せ!朝が来た幸せ!毎日が来る幸せ!こんな幸せが続いていく幸せ!

世界がいつもこんなにも輝いていたなんて!!

「おはよーう!!!」と、ビックリマーク3つを携えた私の挨拶に、友人は覚悟を決めた顔をした。私の話が長くなるぞと、今までの経験から彼女は察知し、黙って席に着く。私は私で荷物も置かずに彼女の隣に立ち、自分の胸に手をやった。

「努力は必ず報われると言いますか。夢は夢のまま終わらないと言いますか。今までの自分に感謝をし、これからの自分には期待していきたいと思います。世界はこんなにも美しい」
「つまり?」
「白井君と、付き合う事になりましたー!」

いえーい!と、大きな拍手が欲しいテンションで大発表した。あまりの嬉しさにどこで誰が聞いてるかなんて頭に入らないぐらい、かなり盛大な声量だった。気づいていた。でも嬉しさが大き過ぎてもうどうでも良かった。だって私、白井君と付き合えるようになったんだ!

「幸せ!幸せなの今!こんな事ってあるんだね!生きてて本当に良かった!この世に産まれて良かった!白井君が居る世界に産まれて良かった!白井君と同じ空気が吸える場に生まれてよかった!幸せ!ありがとう!」

「おめでとーう」と、声が聞こえてきた。クラスメイトからの声だ。「良かったねー」と。「末長くお幸せにー」と。

「ありがとうございます!頑張ります!」
「何をだよ全く」

この辛辣なツッコミは友人のもの。やれやれと浮かれる私に呆れている。

「でもまぁ、良かったね。おめでとう」

結局、こう言ってくれるのは分かっていた。だから私達は友達なのだ。

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