溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜

何事もバカ正直で、手を抜くことを知らないまっすぐな女性であるということ。ツラいときは泣き、楽しければ声を出して笑う。

納得できないことがあればとことん相手に詰め寄り、お互いが納得するまで話し合う。

医療の現場は壮絶でストレスを抱えてやめていく者も多いが、柚は真逆のタイプだった。

俺やベテランの医師に対して物怖じなくズバズバ意見する。わからないことはとことん突き詰め、患者ともしっかり向き合う。

外科でも術後の経過がよくなければ、思いがけない急変があったり患者が亡くなることもある。その場で臨機応変に対応し、医師が駆けつけるまで必要な処置を施さなければならない。

機敏の良さやとっさの判断力が求められるのだ。そんな柚の目にはいつも『絶対にこの人を助ける』という強い意思が宿っていた。

そんな彼女と一緒に仕事をしていると、こっちまでやる気をもらえる。決して諦めない強い心。初心を思い出させてくれる貴重な存在。

日々の業務に忙殺されそうになる中で、いつしか外科病棟へ向かう足取りが軽くなってる自分がいた。

嘘偽りがない彼女のまっすぐな姿に惹かれていたのかもしれない。

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