部長は私を甘やかしすぎです!
第三十三章

○本社ビル

真木 「失礼します。コーヒーお持ちしました」

竜二 「ありがとう」

真木 「何か部長、ご機嫌ですか?」

竜二 「えっ、顔に出てる?」

真木 「なんとなくですけど……」

竜二 「どうかな、いいことがあったとも言えるし残念とも言えるかな」

真木 「はい?」

竜二は雫の足が治ったことと管理栄養士の資格のことを話した

真木 「まあ、お子様はまだ雫様がお若いですからね。結婚は一年と少しですか……」

竜二 「そうなるな、ん?まだ大きなスケジュールは入ってないだろ?」

真木 「そうですけど……あの私事なのですが産休を……」

竜二 「ん?子供出来たのか?」

真木 「はい、やっと授かりまして……そのお式の準備がお手伝いできないかと……」

竜二 「出産は終わってるよな?」

真木 「まあ、夏予定なので」

竜二 「式に出席してくれれば構わない。自分の身体のことを考えて産休に入るといいよ」

真木 「ありがとうございます」

竜二 「よかったな、結婚して五年か」

真木 「はい」

竜二 「無理して動くなよ(笑)俺が動くから」

真木 「ありがとうございます」

竜二 「八階に行ってくる」

真木 「はい」


○八階社長室

父  「そうか、そういうことなら雫ちゃんの入社を許可しよう。詳しいことは正月に家に来て決めればいい」

竜二 「ありがとう」

父  「真木くんの後任もお前に任すよ」

竜二 「春の新入社員が来てから決めるよ。じゃあ戻る」


○竜二のマンション

竜二 「雫ちゃん忘年会三十一日になった。みんな忙しくて」

雫  「わかりました。じゃあ午前中にバイト出て、昼から上がらせてもらいます」

竜二 「そうだね、午前中忙しいだろうね」

雫  「竜二さんは休み?」

竜二 「休み。三十、三一、一日が休みで二日は各店舗を回るから出勤して三日が休みで四日から通常通り仕事かな」

雫  「わかった」

竜二 「一日は俺の実家に行って色々決めるよ。で三日に雫ちゃんの実家に挨拶に行きたいから予定聞いておいてくれる?」

雫  「はい、あっじゃあ三十一日バイト終わって買い物して帰りたいから車で送ってもらっていい?」

竜二 「わかった」

竜二は真木の妊娠のことも話す

雫  「そっか、簡単に出来る人もいれば中々授からない人もいるね。命って不思議」


○十二月三十一日、居酒屋

幹事の祐介の音頭で全員で乾杯する

来年結婚する紀之と彼女、忍の彼女も紹介された

竜二 「俺らも正月に具体的に決めるよ。再来年の二月に結婚する予定。お前ら空けとけよ」

広樹 「あと、急で悪いけど来年の四月に俺らも……」

広樹は照れて頭をかいた

俊  「紀之はさ、彼女いるの聞いてたけどさ、竜二と広樹は付き合いだしたとこじゃん。ビックリしかないんだけど」

竜二 「まあ、春に雫ちゃん見付けて半分職権濫用で食事に行ったからな~」

雫  「もう~でも嫌だったら断ってるよー(笑)」

竜二 「年齢的にさ、次付き合うなら結婚も頭に入れるだろ?」

祐介 「俺は逆に去年振られたぞ(笑)」

広樹 「そうだったな。みんなで慰めたな(笑)」

綾  「美咲、飲まないの?」

美咲 「うん、禁酒、禁煙よ(笑)」

雫  「それってもしかして……」

美咲 「そうなの、だから式することにしたのよ。ウェディングドレス着たくてね、お腹が目立つ前に写真も撮りたいじゃない」

竜二 「広樹はデキ婚かよ」

広樹 「まあな、でも結婚するつもりだったからやっちまった感は全然ないぞ」

歩  「じゃあ、お腹の子供に乾杯~」

全員 「乾杯~」

美咲 「雫ちゃんお料理教えてね」

雫  「私でいいんですかね。広樹さんのお母さんとかでなくて」

美咲 「県内にいないからね。私の実家に広樹も住むかもしれないのよ」

綾  「婿養子じゃなくて?」

美咲 「うん、多分ね。でもまだわかんないけど私一人っ子だしね。広樹が雫ちゃんの料理を美味しいって食べてたからそれだけでも覚えたくて」

綾  「美咲が料理ねー」


一次会が終わり三組のカップルが帰っていった

残りは竜二のマンションへ


○竜二のマンション

俊  「一気に人数減ったな(笑)」

竜二 「でも、まあいつも全員揃ってたわけじゃなかったからな」

雫  「そうなんですか?」

竜二 「そうなんだよ」

貴志 「俺も指名入ってたら行けないしな」

雫  「あっ、そうですね」

祐介 「年に一度くらいは集まりたいよな」

綾  「美咲がこれなくなっちゃったら淋しいな、来年試合出れない……雫ちゃんどう?」

雫  「私、運動はあんまり得意ではないので綾さんとは実力の差がありすぎますよ。練習する時間もないですし」

綾  「ハア、お見合いでもして見よっかな~」

貴志 「見合い?見合いするなら俺と付き合えよ」

みんなシーンとなる

綾  「えっ、冗談?」

貴志 「冗談じゃないよ。そんなことみんなの前で言えるか」

綾  「急すぎて……」

貴志 「お前の髪は俺がずっとカットするんだよ」

雫は竜二の手を繋いだ

雫  「今のはプロポーズかな?」

竜二の耳元で囁く

竜二は雫の手を握り返した

綾  「貴志は指名がよく入るくらいモテるし、女の子に誘われるでしょ?それに休みも私と合わないし……」

貴志 「客に手はださないよ。何かあったら今は何でも広がる時代だぞ」

竜二 「綾、俺らも休み合わなかったけどお互い話して一緒にいれる時間を考えて同棲という形にしたんだ。最初食事に行ってから一ヶ月会えなくて、だから俺が強引にだけど一緒に住みたいって、朝の一時間、夜の二時間でも話したかったから。お互い話せば一緒にいる時間は作れるよ」

貴志 「俺もそうしたい。これから二人で話そう、行くぞ」

綾の手を繋いで帰ってしまった

雫  「カップルが成立しましたね」

俊  「急だな、なんかあぶれた感半端ないんだけど……」

祐介 「貴志って本当モテるんだぜ」

雫  「確かにカリスマ美容師っぽいですよね、背も高いしスラッとしてて」

竜二 「雫ちゃん……」

雫  「あっ、竜二さんもカッコいいですよ」

竜二 「も?」

歩  「竜二、めんどくさい」

竜二 「はい」

竜二は大人しくなった

祐介 「貴志も竜二みたいに綾が最後の客になった時は食事には行ってたみたいだしSNSあげて貴志のことを知ってもらおうとしてカット行けば拡散してたから少しは意識してたんじゃないかな。自分の顔は隠して貴志の顔は出してたから」

歩  「あっ、そういえば見たことあるな」

雫  「じゃあ、よかったということで……もう少ししたら年があけますよ」

残りのメンバーで新年を迎えた


年が開けて
○真中家、昼

兄も帰って来ていて五人で正月を過ごした

雫と母は二人でお喋りをし、男三人でお酒を呑んでいた

兄  「来年の二月か、わかった。空けておく」

竜二 「うん」

父  「竜二、四日の日の仕事の予定は?」

竜二 「二日に回りきれなかった店舗があれば四日にと思ってるけど……」

父  「じゃあ明日頑張って終わらせて四日は八階で接客しろ」

竜二 「接客?ってお茶出しとか?」

父  「お茶は秘書がいるだろ?お前も来客に挨拶しろってことだよ。顔を覚えてもらえってことだ」

竜二 「えっ……」

兄  「時期社長の紹介ってことだよ、よかったな。竜二」

竜二 「まだ、早いよ親父は役職定年なんだからまだ年数あるし」

父  「バカ、まだワシは引退せんぞ。でも顔を覚えてもらうには早いほうがいいんだよ。今跡継いでも誰もついてこないよ。今の役員が可哀想だ」

竜二 「横に立ってればいいってこと?」

父  「そうだ、後ワシが挨拶行く時にも連れていくから秘書同士で日程合わせろ」

竜二 「わかった」

父はそう言うと雫と母の方へ行った

竜二 「結婚関係あると思う?」

兄  「いや、結婚は直接関係は無いだろうけどお前が雫ちゃんを大事にしてることがわかるから社員も大事にできるようになってきたと判断したんじゃないか?」

竜二 「そっかな……」

雫がやってくる

雫  「竜二さん、お父さんから聞いたよ。あれ、泣いてる?」

竜二 「雫ちゃん……」

雫  「お兄さんにまた言われた?」

兄  「またって?俺別に何も悪いこと言ってないよ」

雫  「この間も感謝してるってお兄さんに言われて帰ってきてから泣いちゃって……日本酒呑むと泣き上戸になるみたいで」

兄  「あっ、こいつ三杯呑んだし、さっき誉めたわ(笑)」

雫  「やっぱり~、可愛いんだけど日本酒注意なんですよ(笑)」

雫は竜二の頭をよしよしとなでる

夜まで真中家では賑やかな声が響いていた
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