太陽と月の物語
太陽と月を繋ぐもの

♢side 太陽


「はなちゃーん!そこ昼寝しちゃダメ!」
「みゃー」

お盆の上に我が物顔で居座るやんちゃさんを叱ると呑気な鳴き声ひとつ返された。

「みゃーじゃないでしょう!そのお盆に今から配膳するの。あんたは接客担当でしょ!」

ほれほれ邪魔だ、とはなを抱きキッチンから追い出すと、彼女は不満な声を上げながらも、自分を心待ちにしているお客様の膝に座りに行った。

「朝陽ちゃん、サラダの盛り付けお願い!」
「了解です!」

真紀子さんからボウルを受け取り、ランチプレートの上に手早く盛り付けた。
すると今度はキッチンをウロウロしている心くんのお父さん、康晴(やすはる)さんから質問を受ける。

「朝陽ちゃん、こないだ買った砂糖はどこ?」
「あ。棚の一番上の籠にいれました!」

私が取りに行こうとすると康晴さんに慌てて止められる。

「俺がやるから!危ないから!」
「大丈夫ですよ。康晴さん、過保護すぎです」
「何かあってからじゃ、遅いんだよ!朝陽ちゃん」

砂糖は過保護な康晴さんに任せることにして、今度はふっくら焼き上げたキッシュの盛り付けに取り掛かる。

お店のほうでははなちゃんが鳴き声を上げ、お客様から歓声が上がった。
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