うさぎ
第二章 七年ぶり
五月の半ば。

私はやっと高校生活にも慣れ初めて、いつもと同じように学校に登校していた。

教室に入ると、もう美和はとっくに来ていて、暇そうにスマホをいじっていた。

「おはよう、美和」

私は美和の背中をぽんっと叩いて朝の挨拶をする。

「おはよう、真於」

美和は私に気づくと、笑って挨拶を返してくれた。

私は美和の前の席に座る。

このクラスは、席替えが自由なのが本当助かる。

私、美和以外に友達いないもの。

席が離れたら話せる人が居なくなっちゃう。

美和はスマホをバッグにしまうと、秘密話でもするように、私にぐいっと近づいた。

「ねぇ、なんか今日、転入生来るらしいよ」
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