夏の宵と林檎飴【短編集】

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秋にかかるころの夕焼け空に輝く花火は私の田舎の風物詩。


私は2つ下の大和という幼なじみとどうしても2人で花火を見たかった。
毎年家族ぐるみで見ているのにあの年だけはどうしても譲れなくて。

幼心に私は彼をとても大切に思っていたから、姉としての気持ちが大きかったのかもしれない。


「あやちゃん、おこられちゃうよ!」

「だいじょうぶ、やまととふたりならこわくないよ。」

壊れそうなほど小さい手を引いて、私は大和と家を出た。

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