再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
小さな違和感

週が明けた月曜日、今日は配達はなく店内でレジをしていた。
基本、配達がない日は私がレジ担当だ。
おじさんやおばさん、石山さんという男性が厨房で料理をしている。
パートの人や私は接客、弁当を詰めたり、惣菜の陳列などが主な仕事。
たまに野菜を切ったり食材の下処理も手伝っている。

あと、私はポップを任されている。
惣菜のおすすめポイントなどを的確にまとめ、お客さんの目を引くように研究している。
お年寄りも多いので、字を大きく書いたり分かりやすいように心掛けている。

「こんにちは。これ、お願いします」

最近、よく買いに来てくれるサラリーマンがレジに弁当を持ってきた。
見かけるようになったのは一ヶ月前ぐらいかな。
お店の弁当を気に入ってくれてるのか、かなりの頻度で利用してくれている気がする。

うちの店は配達弁当の他に、店頭で数量限定の日替わり弁当を販売している。
この弁当はサラリーマンやOLの人に人気で、あっという間に売り切れる。
最初から数量限定にしているのは、売れ残ったりする心配がないからだ。
ちなみに、弁当の配達は事前予約しか受け付けていない。

今日の日替わりはメンチカツ弁当だ。
サラリーマンが手に持っていた弁当を受け取りレジを打つ。

「メンチカツ弁当、六百円です」

「最近、配達が多いんですか?」

ビニール袋に弁当を入れていると、サラリーマンがおかしなことを聞いてきた。
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