君はアノコと私はアイツと
「それで、こんな時間まで待ってるってことはなんか話あるんでしょ?」
「んあ...そーだった。」

私が言わなかったら忘れてたな。

「あのねー...彼女ができましたぁ〜うへへ...。」
「え...。」

頭を鈍器で殴られたかよのうな衝撃。
そんな報告だなんて思ってなくって、心の準備すらできていなかった。

「放課後ね、好きな先輩に思い切って告白したらおっけい貰えちゃってね、それで...」

嬉しそうに斐は話す。
それとは反対に私はショックのあまり斐の話が頭に入ってこなかった。
斐はずっと私の近くにいるって過信しすぎていた。
そうだよね...だって斐は私の彼氏じゃないもん...。
そうだよ...。

「夢桜??」

俯いている私に気づいた斐は心配そうに私の顔を覗く。

「ごめん、ちょっと御手洗!お腹痛くて!」

へへっと笑顔で泣きそうになるのを誤魔化しながらトイレへ逃げた。
もう、どういう顔で斐に会えばいいの.....?
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