私の幸せ。


「あの…僕達無視しないで?」
「あっ、ごめんなさい。
私、檜山 雪姫です。」
「うん。
さっきそれ僕言ったよ。」
「あっ、そっか。」
「もう!
急に2人の世界入っちゃったんだもん。」
蒼は唇を尖らせてそう言った。


「ごめんね?」
「俺、高橋 時雨。
宜しく。」
「俺は、神崎 槙。
宜しくね。」
さっきの茶髪銀メッシュの人・時雨さんと黒髪眼鏡の人・槙さんがそう自己紹介してくれた。


「宜しくお願いします。」
「で、2人はどういう関係なの??」
槙さんは、話を戻すようにそう聞いてきた。

私はどう答えれば良いのか、どこまで話せば良いのか分からなくて拓真を見上げる。


「俺の…元カノ。」
「それだけじゃないっぽいけど??」
答えづらそうに拓真が答えると、時雨さんがそう言った。

「全部、話さないと駄目ですか?」
「出来れば…聞きたいな。」
私の質問に槙さんが答えたので私は拓真を見た。
拓真は私がどうするか問い掛けてる事に気づいたのか頷いた。


「あの、長くなるので…座っても良いですか?皆さんも。」
「あぁ。」
「うん。」
私がそう言うと、皆それぞれ円になる形で座った。


「私達が付き合い始めたのは、中学1年のときです。」
「敬語じゃなくて良いよ。」
「あっ、うん。
それで、中学2年になって直ぐ(?)くらいまで付き合ってたんだけど、その時に私が妊娠しちゃって…別れたの。」
私は槙さんが敬語じゃなくて良いと言ってくれたので、続けてそこまで話した。

一気に言ってしまった方が良いと思ったから。


「妊娠って…拓真の、だよね?」
「…うん。他に誰が?」
3人とも驚いた顔をしていた。

「俺は、別れるって事で雪姫から逃げた。
それからすぐに、雪姫は姿を消した。」
「えっ?」
「ちょっと事情があって、私この街に引っ越したの。
てか、地元からちょっと離れてるのに何で拓真がこの学校に??」
別に高校は校区とかないけど、ちょっと不思議に思って聞いてみた。



< 11 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop