惑星のダンス
「……おい」

と、急に後ろから低い声をかけられた。

愛も祐実もこのくらいで驚く性格ではないので、無言で視線をやる。

そこにいたのは天だった。

彼は困惑した顔で二人の顔を交互に見、最終的に愛に落ち着いた。

「知ってるのか?」

祐実を指さしながら問う。愛は納得した。

アイの正体を知っているのか、そう訊きたいのだろう。どこからか知らないが会話を聞いていたようだ。

「知ってる。……ちなみに、天のことも初見で気づいてたよ」

「えっ」

慌てた様子の天を、祐実は冷めた目で見ていた。

実のところ、愛のメイクは祐実仕込みなのである。
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