惑星のダンス

“PLANET”の新曲、“clap your hands!”。こちらもテレビ初披露だ。

盛り上げ方が上手いグループだ、と愛はしみじみ思う。随所でウインクをし、流し目を送り、笑顔を投げて。

『clap! clap! その手を叩こう 悩み全部打ち払うように』

明るくテンポのいい曲だ。歌詞の切れ間で叩かれる手がさらに快活さを加えていく。

揃いのダンスを一心に見ていると、思いがけずソラと視線がぶつかった。

彼も驚いたのだと思う、茶色がかった瞳がわずかに見開かれる。

くるりと一回転して再び目を合わせたとき、ふっとソラが微笑んだ。

あまり笑わないキャラなのに。けれど確かに唇を綻ばせて、その端正な顔に柔らかな笑みを作ったのだ。

──どきりとしたのは不覚だ。

きゃあっと黄色い悲鳴が上がったのは、きっとこのスタジオだけではなく、生中継の向こうのお茶の間でも。

愛は拳をぎゅっと握る。

次は“Venus”の出番だ。引っ張られるわけにはいかない。

──むしろこっちに惹き込んでやる。