惑星のダンス
天を放置して愛はさっさと歩き出す。慌てた足音が追ってきた。

「待て、ただ、あんまりにも予想外っつーか、……考えたこともなくて。驚いてて、上手く消化できてねえだけだよ」

「別に、天がどう思ってても私には関係ない」

「だから違うって!」

完璧に拗ねていることを愛は自覚していなかったし、怒った彼女の機嫌取りのような言動をしていることを、天もまったくわかっていなかった。

「愛、おまえと歌えることは、俺は嬉しいんだよ!」

必死かつ情けない声に追いすがられて、勝手に早足になっていた歩を止める。

振り向いた先、怖々見上げるような視線とぶつかった。

「びっくりしたけど、ほんとに嬉しい。俺はアイドルとしてのおまえを尊敬してるし……色々学べるいい機会だとも思う」

「……ふうん」

「だから断じていやなんかじゃない」
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