【短】星のカケラが海に落ちた


と、その時。


キュイーーン…


と、どこらともなく心をざわめかせる音がした。



「…きた」

「え…?」


彼は彼女にその音を聞かせないように庇いながら、後ろへと追いやる。


すると真っ青な…群青色に近いくらい深淵の光が鈍く彼の元に届き、彼はそれを受け止めてから、どぷん、と重い音を付けて雫の中に落ちていった。



< 6 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop