願い婚~幸せであるように~
休日の朝からしたいのは洗濯なのに……それに、お腹空いているだろうから、ご飯も作りたい……だけど、離れたくない。

一応心の中で葛藤したけど、幸樹さんの欲求に応じることにした。彼の欲求は私の欲求でもある。

せっかくふたりで過ごせる休みだから、好きなことをして過ごしたい。キスを深めていく彼の背中に腕を回した。


「好きだよ」

「私も好き……」


昨夜何度も繰り返した甘い言葉を朝からまた繰り返した。彼の唇と指は私の至るところに触れた。お互いの体温は温かいから熱いに変わり、息もどんどん上がっていく。

私の上で力を抜いた幸樹さんの重みを感じながら目を閉じていると、どこかから微かにスマホの着信音が聞こえてきた。


「幸樹さん、あそこから聞こえるけど」


ぼんやりする頭を動かして、寝室から繋がるクローゼットルームを指差した。彼は顔を起こして、首を傾げる。


「あ、もしかして……」


ムクッと起き上がった幸樹さんは全裸のままで、クローゼットルームのドアを開ける。今さらだけど、目のやり場に困ってしまう。

引き締まった彼の体はきれいで見惚れてしまうが。


「上着に入れたままだった」

「幸樹さん、あの……その……」


スマホを手にした彼が体をこちらに向ける。どこを見ていいか分からないのですが……。前を向けられるのはより困るから、両手で顔を覆って視線を彼から外した。
< 103 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop