願い婚~幸せであるように~
社長にはふたりの子供がいる。上の子が六歳だから、庭で遊ぶには最適な年齢だ。建築士でもある社長は、自ら設計し、内装にもこだわった家を建てている。

一度参考にとみんなでお邪魔したことがあるが、素敵な家でとにかく感動して、こんな家に住みたいと誰もが口にした。

幸樹さんの実家も庭が広い。私としては、新たに家を建てるのではなくて、彼の実家に同居させてもらうのでもいいと思った。

今の実家はすみれが生まれてから、リフォームしているらしい。とても立派な家だけど、同居することになったら、またリフォームするのでもいいかなとも思う。

幸樹さんは私の話を真剣に聞いてくれた。将来親の後を継いで経営者になるから、いずれは実家に戻らなくてはならないかもと彼も思っていたそうだ。

でも、一から庭のある自分の家を建てたい気持ちが幸樹さんにもある。私たちは広くなくてもいいから、家を建てようという結論になった。私たちが考えた住みたい家を。


「来年になったら幸樹さんが手頃な土地を探してくれることになりました。で、設計は榊社長にお願いしたいと言っています」

「は? 俺? いや、カヤシマ不動産には優秀な設計士が何人もいるだろ? そっちに頼んだほうが絶対にいい」
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