願い婚~幸せであるように~
「すみれから聞いているわ。昔のことをよく覚えていないそうね。それなのに、久しぶりと困らせてしまってごめんなさいね」

「いえ、そんなこと……。こちらこそ、お邪魔させていただいたこともあるのに、覚えていなくてすみません」


まさか謝られるとは思わなく、私も恐縮して謝ってしまう。

茅島邸に入れば、なにか思い出すことがあるかと期待していたが、ただ大きくて立派な家に圧倒されるだけで、以前来た記憶は思い起こせなかった。


「和花ちゃん、パーティーまでまだ時間あるから私の部屋に来ない? アルバム見ましょう。お母さん、時間になったら呼びに来てもらえる?」

「うん、分かったわ。和花ちゃん、始まるまでのんびり待っていてね」

「はい、ありがとうございます。あ、すみれちゃん。これどうしたらいいかな?」

「兄に直接渡してね。今は私の部屋に持っていこう」


持ってきたプレゼントの箱をどうしたらいいか訊ねた。すみれちゃんが言うように、私も直接渡したいと思っていたから、箱を持って、二階にある部屋に入る。

すみれちゃんの部屋も一般的な部屋の三倍くらい広くて「すごい……」と呟いてしまう。

三人掛けの白い皮張りソファに座って、待っていてと言われる。
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