ママの手料理

再会

バァン………


「お、危ないなぁ！もう銃を調達してきたなんて…」


OASIS本部、3階。


いきなり銃の発砲音が聞こえ、既のところで弾をかわした湊は上がった息を整えた。


2階に居た敵は何とか倒し、銀河の言う“ムラサキ”が居ない事を確認した彼は、現在3階で残った敵と対峙していた。


アドレナリンが大量放出されているからか、疲れているはずなのにまだまだ動く余裕がある。


というより、余裕しかない。



「死にやがれボンクラァァァ！」


突然、耳障りなガラガラの声で叫んだ敵が、一目散にこちらに向かって走ってきた。


「ええー、ボンクラ…？」


相手が発砲した弾が自分に当たるのが先か、それとも湊が投げた小型ナイフが敵の胸に突き刺さるのが先か。


バァン………


咄嗟にしゃがみこみ、敵の弾を既のところで避けた彼は、情けない唸り声を上げながらどさりと倒れ込む敵の姿を見て鼻で笑った。


その人の胸からは、止まることを知らない赤が流れ続けている。


(銃か…厄介だな…)


mirageも、睡眠薬の弾の入った銃の他に本物の弾の入った銃は持っている。


だから銃撃戦はやろうと思えば出来るけれど、それは怪我を負うリスクを高める事になる。