キミに、愛と思いやりを

「お前が、小園さんを疑ったから悪いんだよ」



宇野の言葉を聞いて,僕は少しカッとなった。


だって、彼氏以外の男と話すのはともかくとして家に行ってご飯を作るのはおかしいじゃないか。



「疑ったって……」



「おまえ、いろいろと勘違いしている。小園さんにも、事情があるのに。それを知ろうともしなかっただろ」



そう言って、片手に持っていた紙を僕に渡す宇野。



「小園さんからの手紙」



「僕に?」



「そうじゃなければ、俺はここに来てねぇよ」



僕は目を見開き、受け取った手紙をじっと見つめた。
手紙、僕宛に花蓮は書いたのか。


なんだか、突然すぎだからなのかぼーっとしてしまう。



「読んでみろよ」



その言葉で、我に返った。



「小園さん、おまえのために必死で書いたんだよ。読んでごらんよ」



僕が封筒を開け、紙を開くと『歩へ』というきれいな文字が目に飛び込んできた。
その下に並んだ文章を、僕の目は流されるように横へと進んだ。




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