アンバランスな苦悩

携帯電話

「兄貴がやってこないなんて
意外だったな~

母さんも
夕飯作ってなかったし
遅くなると
思ってたんじゃないの?」

「光汰が作らなくていい
とか、言ったんだろ?」

風呂あがりの俺に
光汰が話しかけてきた

その流れにのって
光汰は俺の部屋に入ってベッドに
座った

「もしかして
これから夜這い?」

「んなことしたら
マコに邪魔されるだろ」

光汰が大きくうなずいた
俺はジャージの上着を
羽織った

「なあ
光汰がお袋のこと
説得したのか?」

「何で
そう思うの?」

「昨日の俺の話だけで
交際を許すとは思えない」

光汰が肩を震わせて笑った

「兄貴
自分の欲望しか
言わないんだもん

フォローが必要だよ

部屋から兄貴の声が
聞こえて

笑いが止まらなかったよ」

「ありがとな」

「じゃ、
今度、マコ姉との
デート代は兄貴の金で」

「給料日あとならな」

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