アンバランスな苦悩
寝顔
可愛いな~

いつになったら
スミレと体を重ねられるのだろう

「瑛ちゃん 寒い!」
スミレが眠そうな声を出す

毛布と布団を上に引き上げると
顔の半分以上を隠してしまった

窓を開けっ放しにしてたのを
思い出し

窓を閉めに行った

このまま
部屋に戻るべきなのは

わかっている

わかっているけど


スミレと離れることができない

部屋の窓を閉めると
スミレのベッドに
腰をおろした

ショートカットの黒髪を撫でる

髪を伸ばしても
可愛いのに

肩より長くしたことがない

見た目も
性格も

マコとは正反対だ

スミレが布団の中から
手を出すと

俺の手を握った

「瑛ちゃんの手、冷たいよ~」

…寝言かよ!

起きてるときも
それくらい
可愛いことを
言ってくれたら

俺、抱きしめちゃうのに…


でも
抱きしめたら
怒られる

今日はもう少し
スミレと一緒に居たい

早くスミレと同じ布団で
寝たい

スミレは俺のこと
どう思っているんだろう
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