ただ愛されたいだけなのに


 わたしの見た目とは全く違うタイプの女優の名を挙げては、「夢もああいう服を着てみたら?」って、バカじゃないの? どうしてわたしばっかりあんたの好みに合わせなきゃいけないの⁈

 うん、そうよ。その通りだわ。本人に言ってやろう。

 わたしは田端がこっちを見ていないか確認してトイレに入った。思ったままをメッセージ欄にうちこみ、送信した。
 それから五分ほど休憩をして、バイトに戻った。

 残りの四時間、美味しそうなシナモンの香りを存分に漂わせるシナモンロールを、他人のためにテーブルに運ぶマゾヒストな作業を終わらせて、急いで届いていたメッセージを確認した。


 正紀:あのな、俺だって自信があるわけじゃね
    えよ。自分の金をどう使うかまでお前に
    指図される筋合いあるか? 俺がお前に
    かわいくなれとか言ったか? 言ってね
    えだろ。お前が自分で勝手に自分磨きだ
    かなんだかに金かけてるからって、こっ
    ちにまで強制するなよ。俺はお前と違っ
    て、性格を磨くようにしてるから。
 

 なっ……なにこれ⁉︎ 『勝手に自分磨きだがなんだかに金かけてる』? 



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