この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】

誤魔化せる?

「い、意外と大きい……」


 段々と近付くと感じる。かなり大きな街で、人の気配がかなりする。今は能力を制限されているので、肌で感じている程度。
 ローデリヒ様はある程度の距離まで来ると、《千里眼》の発動をやめた。目立つもんね……。
 いや、それだけじゃない。


「え、ローデリヒ様。私達結構目立っちゃいません?……ほら、私は一応軽装だけどドレスだし」


 一応軽装だけど、普通の街中の人はドレスなんて着ない事は王城の引きこもりでも分かる。
 つまり今の私達は、めちゃくちゃ貴族っぽさが出てしまっているってこと。

 ローデリヒ様も汗をかいているし乱れてはいるが、装いは貴族男性のもの。こちらも堅苦しいタイプの服ではないけれど、ド素人でも一目瞭然である。


「大丈夫だ。商隊で移動していたが、盗賊に襲われた商人夫婦設定で行こうと思う」

「え……、商人とかよくわからないんですが……数学苦手だし……」

「問題ない。私が上手く誤魔化す」
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