ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
高校へは電車を使う。

三つ先――都心方面――の駅で降りて、更に歩いて十分くらいだ。

電車は混雑しがちだけど、登下校はいつも傍に僕がいるから、美結に不埒な真似をするヤツはいない。

そんなヤツがいつら地獄へダイブさせるけど。

駅で、尚を待っている子と挨拶してから、僕らは尚とは離れる。

尚は高校に入って彼女が出来た。

中学の頃からバスケの地区大会なんかで顔を合わせていた近くの中学の子で、同じ高校になってから告白されたらしい。

少し離れた位置にいる尚と彼女――名前は、新垣玲奈(あらがき れいな)。

美結とは同じ部活仲間でもある。

……新垣は、尚がもう選手に戻れないのもわかっている。

「あー、ラブラブですなー」

「ですなー」

老人みたいなことを言う美結に同調する。

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