「ねぇ、シェアしない?」


「私は、死なない」


ゆっくり、そう告げた。


私は、死ぬわけにはいかない。


「ここで私が死んでも、舞香は虚しいだけでしょ?それが私には分かるから。復讐は終わるかもしれないけど、後にはなにも残らない」


舞香は私の発する言葉を、噛み締めているような苦しげな表情をした。


「私は生きる。まだ大切なひとがいるから。生きて、罪を償う。してしまったことをずっと後悔して、反省して生きていく。それのほうが、ここで死ぬよりずっと、苦しいことだから」


じっと黙っている舞香に、私の言葉は響いているのか?


「それが舞香には分かるはず。だって、私と舞香は、いろんなものをシェアしてきたから」


「__シェア?」


「そう。楽しいことも苦しいことも、気持ちを分かち合ってきたから分かるの。私には、舞香の気持ちが分かる」


そう言うと、やがて舞香の表情が変わった。


憑き物が落ちたように、柔らかくなったんだ。


伝わった。


私の思いが、届いたんだ__。


「優子の気持ちはわかった」


「えっ?」


「もう、終わりにする」


「__本当に?」


「うん、本当」


薄っすらと微笑んだ舞香。


ここにきて心と心が通い合った、それこそシェアができた瞬間だった。


そして舞香が言ったんだ。


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