希空~空姫に希望を。~
「す、すいませーん!冗談でっす☆」
オレが叫ぶように言い、諷賀の腕を掴んでその場から駆け出す。
この後も何度か絶望していそうな女の人に声をかけてわかったこと。
「僕達、外見が良すぎて恋させちゃってる?」
「オレ達が声かけると目の色が変わるもんな…」
諷賀もオレも、ハッキリとした顔立ちをしているし、ガタイもいい。
声をかけられた人達はみんな、少し話すだけで絶望とはかけ離れた表情に変わっていく。
声をかけることができねぇ。
しかし声をかけなきゃ始まらねぇ。
…何だこの詰みゲー!
守唄さんも弓代さんも、七瀬も見た目はいい方だ。
オレ達と同じことをしても、全く同じ結果が待っていそうだ。
「とりあえず帰るか…」
「だな。
このまま探しても見つかる気がしねぇ」
諷賀の提案に賛成して、オレは誰もいない家に帰ったのだった。