希空~空姫に希望を。~
少し歩くと、喧嘩現場が見えてきた。
「おーおー。
オレ達のシマで喧嘩しちゃってくれてるじゃ〜ん」
「…さて、と。
後悔させてあげに行こうか」
諷賀が爽やかな笑みを浮かべる。
…うん。顔と言葉が合わなくて、逆に怖いっす。
まぁ今から会う奴にはそんな諷賀の表情は見えないだろうけど。
ぱさっとフードをかぶり、ポケットから黒いマスクを取り出した諷賀。
この真っ黒な全身コーデは、大好きなオニイサマが暴走族時代に使っていた格好らしい。
兄貴のことリスペクトしすぎだよな。
男が3人と、女が1人。
2人の男が殴り合い…というか1人が相手を殴りつけていて、残りの1人の男が女の服を脱がせようとしていた。
これはあれだな!
カップルに男2人が突っかかって拗れたんだな!
オレは現場を見て瞬時にこう予想した。