死者の愛〜最期のメッセージ〜
「結局、あの紙に書かれていたことは何だったんだ?」

聖の言葉に、「たしかに」と藍以外の全員が声を揃える。

「……何となく、わかりました」

藍はそう言って、スマホの電源を入れた。



「……何で如月刑事までいるんですか?」

藍が前に来たことのある居酒屋で、大河が嫌そうに呟く。

四人がけのテーブルには、藍と大河、そして如月刑事と上山英二が座っている。

「俺はただ、あのメッセージが一体何なのか知りたいだけです」

「へえ〜、そうなんですか〜」

如月刑事と大河の間に流れる空気は険悪だ。上山英二もそれを感じ取っているのか、「メッセージとは……?」と不安げな表情で藍を見つめる。

「殺害された山本咲さんは、手に「O.K」と書かれた紙を握っていました。それは犯人のイニシャルかと思われたのですが、全く違いました。それは……こういうことを伝えたかったのだと私は思います」

藍は紙を取り出し、文字を書いていく。

O……Obiethica
K……Kocham cie

上山英二の目が大きく見開かれる。如月刑事と大河は「何だこれ」と首を傾げた。
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