美男子の部屋に保護されました
同居と同期
翌朝、私は7時に起きて、朝食を作る。

お世話になってるんだから、それくらいはしたい。

「お! いい匂い!」

起きてきた宮原さんが開口一番そう言った。

「おはようございます。
簡単に朝食を作ってみたんです。
召し上がりますか?」

キッチンで卵焼き器を洗いながら言うと、

「由里子さん、おはよう。」

と宮原さんはキッチンにやって来て、後ろからそっと私を抱きしめた。

右手にスポンジ、左手に卵焼き器を持って、泡に塗れた私は、どうすることもできない。

そのまま洗い続けることもできなくて、その場で固まってしまった。

「由里子さん、かわいい。」

かわいいって、かわいいって、何!?

そんな言われ慣れないことを言われて、私はさらに固まる。

「顔、洗ってくる。」

宮原さんはそう言うと、私を解放して洗面所へ向かった。

何、あれ!?

こんなのが毎日続いたら、私の心臓がもたない気がする。

だいたい、私にかわいいって宮原さんの美的感覚が変なの?

あ、もしかして、眼鏡を掛けても矯正出来ないくらい視力が悪いとか?

じゃなきゃ、こんなの、あり得ない。

優美が言ってたみたいに、きっといろんな所で、綺麗な人に合コンに誘われたり、お食事に誘われたりしてるに違いないのに。
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