秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~


「あら、素材は抜群じゃないの!」

そのあと、今日の最終目的地ヘアサロンに半ば強引に連れてこられたわたしは、副社長の旧友だとかいうオネエ系の片桐店長の前に座らされている。

「とりあえず垢抜けさせてやってほしい。」

「りょーかーぁい。腕がなるわぁ~。」

そして…
座っているうちにどんどん髪は切られ、腰くらいまであった髪は肩下あたりに落ち着き、ちょっと明るめの茶色に染められた。
あえてパーマはあてず、ブローでふわっとさせられた髪にナチュラルなかんじのメイクを施される。

「あなたのメイクはファンデーションを塗っただけでしょ。アイラインもこれくらいひけば垢抜けるのよ。あと眉はこんな感じに整えてね。
ほら、決して濃くなく…これで春臣ちゃんをメロメロにさせられるわよ~。」

「はぁ…。」

メロメロにって…
まったくそんなつもりは…ないですって…。

副社長はわたしが出来上がるまでの間、サロンの待合室でスマホ片手に待っていたけれど、わたしが終わって待合室に入っていくと、一瞬かたまったような気がした。

なに?
やっぱり変でしょうか…?
副社長…。

「ほおら。もう。春臣ちゃんったらわかりやすいんだからぁ。もう。」

片桐店長は副社長の脇を肘でズンッとつっついた。

「痛い痛い。お前はでかいんだから、痛いんだよ。」

副社長は片桐店長に脇腹をつっつかれ、頭をポリポリかきながら、笑いあっていた。
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