先生の全部、俺で埋めてあげる。



先生は授業中ずっと咳をしていて。


「先生風邪?」


女子生徒が聞いていた。


「うんん、大丈夫」


きっと大丈夫じゃないんだろうなって、なんとなく思った。




「先生も風邪かな。流行ってんのかな」


って柾木は俺に向かって言った。




結局先生にも風邪を引かせてしまった。


先生が辛いときに寄り添ってあげることもできない。


彼氏に看病されてんのかなって思うと、どうしようもなく虚しくなった。



< 131 / 338 >

この作品をシェア

pagetop