先生の全部、俺で埋めてあげる。
本を読み進めていると
「里巳くん、それ読んでくれてるんだ?」
声をかけてきたのは加ヶ梨先生だった。
先生を見ると嫌だった気持ちがあっという間にどっかに飛んでいく。
「これ、結構面白いです」
「でしょ?勧めてよかった」
そう言いながら、いつもだったら俺の正面に座るのに、今日は隣の席に座った。
え?
「今日、私見ちゃった」
先生はなんだか嬉しそうに小声で話し始める。
「何をですか?」
「里巳くんが告白されているところ」
見られてた?
今日のあれを?