先生の全部、俺で埋めてあげる。
図書館を出ると、うっすらと夕焼けが滲んでいて、夜に差し掛かるところだった。
先生はもう見えなくなってしまいそうなくらい遠くにいて、俺は必死に走った。
先生、待って。
忘れていったペンなんて口実で、本当はもっと一緒にいたいって。
そう言ったら先生はなんて思うかな。
先生の背中を一生懸命追うと、少しづつ距離が近づいて。
それと同時に俺は見たくないものまで見てしまった。
…え。
ウソだろ。