桝田くんは痛みを知らない
 ハーフ、なのかな。

 すっと高い鼻に、色白。

 よく見ると瞳の色がグレー。

 それでも流暢な日本語を話している。


「こ、こんにちは」

「ヨシヒサが女の子を連れてくるなんて。今夜は赤飯を炊いた方がいいかい?」

「シネ」


 なんてこというの、桝田くん。


「布団は2つ。くっつけて敷くからねヨシヒサ」


 …………!?


「泊めねーよ」

「Why? 泊まってもらいなよ。明日は日曜日だよ。必要なもの揃ってないなら、ボクが買ってきてあげる」


 リビングはフローリングだが、さっきチラッと見えた部屋が畳で、修学旅行のときに十数人で泊まった民宿の一室を思い出す。

 要するに団体が来てもラクラク泊まれるくらいには、広い。
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