桝田くんは痛みを知らない
「宗田先輩、一緒じゃないんですね〜?」

「雅臣は基本弁当だから。この前は、たまたま食堂だっただけで」


 そっか。

 だから、なかなか会えないんだ。


 えみるが聞いてくれたおかげで、高校でのマサオミくんの様子、また一つ、知ることができたなって。

 そんなことを考えてしまうわたしは、やっぱりマサオミくんのことが大好きなのだ。


 なのに、桝田くんのことを考えてもいる。

 休みなのかな。

 だとしたら、昨日は元気そうだったのに、どうしたんだろう。


 ひょっとして、わたしがカラオケに誘ったせいで、体調を崩した?


「いたのが俺で残念?」

「いやいや。また会いたかったので! 嬉しいです!」

 満面の笑みで答える、えみる。

 なんだか先輩と、いい雰囲気だ。


 えみるは人と仲良くなるのが本当にうまい。

 
「連絡先。交換しませんか」


 おん?


「色々と聞きたいことがあるので」


 会うのが2度目の、それも2コ上の、ほとんど話したこともない先輩に。

 なんとも積極的……!!
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