芦名くんの隠しごと
チッ、と舌打ちをして吐き捨てた彼は、不機嫌極まりない表情だったけど、私の返事を待たずに机をくっ付けてきた。
「あ、の………」
「あ゙?」
「ひえっ……!」
まさか、古典の授業でこんなに怯えなきゃいけないなんて。
「なんだよ」
「いえ……その……じゃあ、よろしくお願い……します」
「それだけ?」
「え……?はい……」
「……めんどくせー。わざわざそんなこと言うとか」
また怒らせてしまったのだろうか。
いくら怖い人とはいえ、そして彼の女嫌いが本当だとして、それでもこんなに怒らせることしかできない自分に落ち込む。
「……あー、別に今のは、変な奴だと思っただけ。さっさと終わらせよーぜ」