嘘つきの水槽
「はよっ!」


家を出てすぐに見つけた寝癖頭。


ぶつかるようにして顔を覗き込むと、案の定不機嫌そうに睨まれた。


「ってぇ。倉橋、その認識のさせ方どうなの、まじで」


おお、怖い。


今日はいつもに増して不機嫌だ。


「だって陵ちゃん眠そうだから」


「あぁ眠いよ!誰かさんが昨日ホラーDVD1人で観るの嫌だからとか言って夜中に押しかけて来たせいで!2時だぞ2時!」


「でも面白そうに観てたじゃん」


「お前はすぐに寝たけどな。誰が持ってきたビデオだよ」


陵ちゃんはガシガシと頭をかいて、大きく欠伸をした。


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