海賊と宝石の歌姫
不死鳥に焼かれた村
この世界は、強い者が全てだ。弱い者は強い者に淘汰されてしまう。

それを物語るのがこの時代だ。

普段は静かな夜が、この日は違った。闇の中に炎が燃え、一つの村のあちこちから悲鳴が響く。

村に、剣や銃を手にした男たちが次々とやって来て無防備な村人たちを襲っていく。男たちの腕にあるドクロの入れ墨が、炎に照らされ不気味に見える。

この男たちは海賊だ。村人たちから金品や食料を奪い、下品に笑っている。

いくつもの銃弾の跡がついた建物の陰から、青年と十代後半頃の少女が様子を伺っていた。海賊たちはまだ武器を持ってうろついている。

「カヤ」

黒地に白い鳥の柄の着物に、菊の花の刺繍がされた袴をはいた青年が刀を握りしめ、隣で震える桜の花柄の黄色の着物に、紺色の袴をはいた少女に優しく笑いかける。少女の手が小刻みに震えた。

「お前はこれを持ってこの村から逃げなさい。奴らの狙いは恐らく「宝石の都」。宝を守るのは、私たちの義務です」
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