あの日の君ともう一度
ああ、もう何度繰り返しただろう。


桜色の封筒を手に持ったまま、ポストの前で佇む。手紙を出す、ただそれだけのこと。それだけのことだが、私はそれができないでいる。


しかも炎天下の中。


人は疎ら。でもこの暑さのせいか、誰も気にもしない。


記憶の中朧気に残る少年。


中学三年間一緒だったが、特にこれといって大した会話をした事もない。三年間クラスが一緒だったのに、だ。


誰ともつるまず、いつも遠くを眺めていた。別に仲間外れにされてるわけでも、嫌われてるわけでもない。


不思議な雰囲気がそうさせているのか。


そんな共通点の欠片もない相手だったが、なのにあの日だけは違った。



あの日も、こんな暑い日だった。

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