あなたしかいらない



そして、隼人くんが退院してから数日後──




下校中に隼人くんは私に聞いてきた。

「なぁ、陽芽」


「うん?」


「俺のこと、好き?」


「へっ!?」


私は、隼人くんのいきなりの質問に顔が真っ赤になった。


「い…いきなりどうしたの?」


「んー…なんとなく」


? どうしたんだろ



「で、好き?」


「勿論だよ!こんなに人を好きになったの、初めてだよ?
じゃあ隼人くんは??」


「…メッチャ好きだよ」



途端に、ふたりの顔が赤くなった。


こんなバカップル状態が続く、今日この頃。


登校・下校の時にはちゃんと手を繋いで帰るし、親公認の仲になっちゃったし、キスだっていっぱいしてる。


私にとって、これ以上の幸せはないってほど幸せで…


こんなに幸せで…いいのかな?



そんなことを思っていたら、いつの間にか家に着いてたみたいだ。



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