緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
そこに車が停まった。

「楓馬様、莉子様。
お乗りください。

犯人は今、別の者が追っていますのでご安心を。
屋敷に戻って治療しましょう」

いつもの口調に聞こえて、かすかに焦るの色がうかがえる。

「神谷さん…。
楓馬君が…」

「大丈夫ですよ。
楓馬様は幼いころから様々な怪我を体験しておられます。打撲や骨折も日常茶飯事です。
すぐに治療を開始すれば問題ないでしょう」

「…はい!」

安心するように言われても、やっぱり気が気じゃない。
だって…、全部私のせいだもん。
罪悪感が、重い…。
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