緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
「もとはと言えば俺のせいだろ」

俺のせい…?
どうして?
どうして楓馬君が自責の念に駆られてるの?

「だから、痛み止めを飲まないんですか?」

「飲む気になんねーの。
つくづく自分のことが嫌になってるとこだから、あんま話しかけないでもらえる?」

話しかけるな、だと?
なんだか申し訳ない気持ちが消えてしまいそうだ。
なんでこんな言い方をされなきゃいけないんだろう。

勝手に自分の事を責めて辛くならないでほしい。
なんなら、私のせいにしてくれた方がまだマシだったかもしれない。

こんな楓馬君は見ていられない。

「変な意地の張り方しないでください。
早く飲んでください。痛みが引かないと、動くこともできないんでしょ」

「いらない」

渡そうとした痛み止めを、自由の利く右手で払った。
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