緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
「なんだよ、もう少し喜ぶと思ったのに」

手錠替わりなんて言っておいて、喜べるはずないでしょ。

なんで素直に受け取ってしまったんだろう…。
この人が、お詫びなんてするはずないじゃない!

あー…、もう。
今になって悔やんでももう遅い。

「手錠よりは動きやすいですね」

ささやかな抵抗として、私にできるのは、嫌味をぶつけてみるくらい。
なのに、彼の表情は何も変わらない。

「でしょ?」

でしょって。…はぁ。
ここに来て何度目の溜息だろう。
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