緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
屋敷の中に戻ると、使用人がドタバタと駆け回っていた。

「大変だ!今夜旦那様がご帰宅されるそうだ!
急いで出迎えの準備をしないと!」

だ、旦那様…!
会ったことはないけど、この屋敷の主人で、世界中に名を馳せているという方。

ほら、平穏なんて、すぐに崩れてしまうんだ。

あまりの忙しさに、私はそこにいるだけで邪魔になっているようだった。
そそくさと屋敷を抜け出して時間を持て余していると、同じく休憩に入った咲さんと遭遇した。

「それで、旦那様って、何してる人なんですか?」

「手広くいろいろやってるみたいよ。
インテリア雑貨の会社を経営してるんだけど、新しくニューヨーク支店を作ったから、忙しくあちこち飛び回ってるのよね。
旦那様が日本に1週間以上いるところなんて見たことないわ。

今回も数日でまた出国するんじゃないかな」

海外にいるって話はどこかで耳にしたことがあったけど、とても忙しい方なんだ。
こんなにも大きな屋敷を持っておきながら、家にいる時間は少ないんだもんな。

庶民には一生真似できない生き方だな。
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