緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
いくら警察官だからって、そんなすぐに人の居場所なんて掴めないはず。
何か居場所を特定できる装置を使えば、話は別なんだろうけど。
例えば、そう…。GPSとか…。
なんとなく、左手首に目をやった。
楓馬君から貰ったもの。
というか、無理やりつけられてるもの。
「ようやく気付いた?
そこに超小型の発信機がついてる。
あんたの場所は俺の手の中ってわけ」
スマホの画面に、私の居場所が表示されている。
お揃いとか言って、精神的に縛り付けてるものだとばかり思ってた。
GPSで居場所特定…。
あー…。それくらいする男だよね。
常識が通じないんだもん。
ってことは、これが外れないと、絶対逃げられないじゃん!
どうやったら外れんのよ!
「言ったでしょ。手錠の替わりだって。
あんたの力じゃ外せないよ。
何回も言ってるのに、まだわからないの?
馬鹿なの?」
さっきから、馬鹿だの、ふざけてるだの。
あなたに言われる筋合いはないっての!