緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー

“使用人でも他の男に触れさせるなんて御免だからね”

ふとそんな言葉が降ってきて、ドキッとする。

そういえばさっき、そんなこと言ってたっけ。
でも、だからってあの人が本当に結婚を考えてるとは限らない。
これくらいで信じてちゃ、きっと後で痛い目に合う。

楓馬君は…、私のことをなんだと思ってるんだろう。
なんでわざわざ、私を探しに来たんだろう。

心配、してた?
いやいや。そんなことあるはずない。

目を閉じると、ぼんやりといろんな考えが浮かんでくる。

いや、どうだっていいじゃない、そんなこと。
どう思われてたって、私には関係のないことなんだから。
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