緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー

今日も、教授に論文の進捗状況を報告して休憩。
一息ついたところで、突然、教授が何かを思い出したように話し出した。

「そういえば、今日、外部から講師を招いているんです。
ですが、ちょっと予定が入ってしまいましてね。

藤田さん、司会を頼めないでしょうか。
司会と言っても、軽い進行くらいですので、難しいことはないと思います。お願いできませんか?」

こんな以来を受けるのは何度目だろう。
自分のスケジュール管理が大の苦手な教授は、こうしてゼミ生に仕事を投げてくることが多々ある。

最早慣れっこ。断る理由もない。

「仕方ないですね」

本当に仕方のない人だ。
これがゼミ生の宿命と思って受け入れよう。
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